ペルーの巨大な穴・鉛中毒で被害深刻【セロデパスコ・ボルカン鉱山】 [超気になる『テレビ』の話題]
8月17日放送の世界仰天ニュースで、ペルーのセロデパスコにある巨大な穴について紹介されます。このセロデパスコの巨大な穴はペルーでも問題となっているようで子供を含む地元住民の健康を鉛中毒で脅かしています。
今回はペルーセロデパスコの巨大な穴について詳しく調べました。
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今回世界仰天ニュースで紹介されるセロデパスコの巨大な穴は縦幅1600メートル、横幅800メートル、そして深さは400メートルという巨大なものです。深さだけ見てみると東京タワーがすっぽりと納まってしまう深さです。全体的な規模で考えると、もう湖とかの大きさです。
この穴があるセロデパスコという町は標高4300メートルの場所に位置する世界的にみてもかなりの高地にある人口約7万人の町です。
ペルーではここ数年鉱業での収益が飛躍的に伸びています。このセロデパスコはそんなペルーの鉱業を支える鉱業の町なのです。ここまで書いてしまうと、もう想像できてしまうでしょう。セロデパスコの巨大な穴は採掘によって掘られた穴なのです。
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セロデパスコの巨大な穴では今もなお採掘が行なわれており、その大きさはどこまで大きくなるのかわかっていません。
そもそもセロデパスコという町は昔から鉱山として栄えていました。400年ほど前に銀が採掘され、その銀をスペインに大量に輸出したことで町が栄え、ペルー国内の都市で一番初めにスペインから独立することが出来たのです。
前述のように鉱業の町として栄えたセロデパスコでは、昔から採掘作業は行なわれてきました。以前はトンネルを掘ってトンネルの中で採掘をしていたようなのですが、地下に眠る膨大な量の鉱石を効率よく採掘するにはトンネルを掘っていたのでは割に合いませんでした。
そこではじめられた採掘方法が露天堀りという方法でした。呼んで字のごとく、もう地表から掘って掘って掘りまくるというやり方です。トンネルの作業では落盤などのリスクが高く、安全管理にもお金がかかってしまうため、露天掘りは『掘る側』からするとメリットが大きいのです。
そうして暴利をむさぼるかのごとく堀に掘って出来上がってしまったのが『ペルー・セロデパスコの巨大な穴』なのです。
この巨大な穴のおかげで、セロデパスコの町は大きく姿を変えてしまいます。ペルー第2の都市といわれるセロデパスコの町の中心には外国の領事館や博物館など重要な施設がいくつもあったのですが、それらの全ては採掘穴の拡大のために穴に飲み込まれたかのように姿を消しました。
重要な施設が巨大な穴の性でなくなるということは、一般の住宅などはあたりまえのようになくなっていきます。こうして穴はどんどん拡大して行き、住まいを追われた住民は町の半数にも及んだということです。さらに恐ろしいのは、この巨大な穴は未だに広がっているということです。
このような状況になってもまだ、採掘をやめようとはしない鉱山の管理会社はボルカン鉱山という会社だそうです(実際に作業しているのはその子会社)。
拡大を続ける巨大な穴も危険なのですが、セロデパスコの町を襲う恐怖はそれだけではありません。鉛の採掘によって引き起こされる鉛中毒が深刻な問題となっています。日本でも昔問題となった鉱山の街が抱える「鉱毒問題」です。
採掘場の西側では採掘された鉛のくずが大量に置かれています。その鉛クズの山から小さな粉末状になった鉛の粉末が風にのって待ちに降り注ぎます。この鉛の粉末によってセロデパスコの子供達は鉛中毒に犯されているのです。
ペルー政府が実施したセロデパスコの子供の血中の鉛濃度は危険値のおよそ2倍の数値をたたき出しており、鉱山と子供の健康被害の関係を決定付ける証拠となりました。この結果を受けて政府は鉛クズの山にシートをかけたり、植林したりと手をうちましたが
これほど巨大な穴を開けてしまうほど規模外大きな鉱山ではたいした効果は現れていないそうです。
現地の病院では満足な設備も揃っておらず、簡単な検査をすることくらいしか出来ないそうです。
町を飲み込む巨大な穴、鉛によって汚染された空気、これだけでも十分に危険な状態のセロデパスコですが、この巨大な穴(鉱山)はさらに水までも汚染しています。
川を流れる水の色は、まるで本場のカレーのような・・・オレンジと赤が入り混じったような色をしています。これは採掘の際に使われた酸化剤が原因だそうで、当然飲めるようなものではありません。もはや水ではない別のものへと変わっています。
水道が通っていないセロデパスコでは飲料水を手に入れるのも大変です。セロデパスコで売られている水の値段は、他のペルーの町で売られている金額の25倍ほどだそうです。
このような酷い状況のばあい、採掘している企業を相手取り損害賠償を請求するのが一般的なのですが、セロデパスコの場合は状況が複雑です。
もともとこの鉱山はアメリカのセロデパスコ社が所有していました。その後、ペルーの国営鉱山となり、さらにそのあとペルーの国営企業セントロミン社が所有。しかしセントロミン社の経営はとても健全とは言えず、1999年に現在のボルカン鉱山社が破格の金額で買収をしました。
書いていても、複雑すぎてわけが解らなくなってしまうほど複雑な経緯で、所有者が変わってきたこの鉱山。責任の所在を問うと「鉛クズについては、当然ボルカンのものもあるが、セントロミン社の頃のものもあるし、国営の時のものもある」といった具合に全く解らなくなってしまうのです。
鉛クズだけでなく、問題の根源である「巨大な穴」についても同様のことが言えると思います。
かつてこの町の議員だったグロリア・ラモスさんは、この深刻な状況を脱するには「街ごと移転するしかない」と法案を通したことがあったのですが、その移転費用を誰が払うのか?というところでストップしてしまいました。
当然企業が費用(責任)を持つべきだろうということだったのですが、前述のような複雑な経緯が邪魔をして結局、移転に関しては全く進んでいないそうです。
セロデパスコの今の状態がこのまま続いてしまえば、この街は第二のチェルノブイリになってしまうといわれています。もはや人が住めるような状態ではなくなってしまっているからです。
利益優先の企業体質が生んでしまったペルーの巨大な穴。調べてみるとその内容はとても深刻なものでした。
日本でも過去に、このような公害問題は起きています。そして、多くの問題を解消しながら現在の姿になりました。ペルーのセロデパスコも今は深刻かもしれませんが、きっとこの状況を脱する術はあるはずです。
まずそれには、国と企業と住民が同じ方向を向いて問題に取り組んでいくことが重要になってくると思います。このケースの場合は、とりわけ「企業」の方向性が問題なのだとは思いますが。
今回はペルーセロデパスコの巨大な穴について詳しく調べました。
ペルー・セロデパスコの巨大な穴は何の穴?
今回世界仰天ニュースで紹介されるセロデパスコの巨大な穴は縦幅1600メートル、横幅800メートル、そして深さは400メートルという巨大なものです。深さだけ見てみると東京タワーがすっぽりと納まってしまう深さです。全体的な規模で考えると、もう湖とかの大きさです。
この穴があるセロデパスコという町は標高4300メートルの場所に位置する世界的にみてもかなりの高地にある人口約7万人の町です。
ペルーではここ数年鉱業での収益が飛躍的に伸びています。このセロデパスコはそんなペルーの鉱業を支える鉱業の町なのです。ここまで書いてしまうと、もう想像できてしまうでしょう。セロデパスコの巨大な穴は採掘によって掘られた穴なのです。
セロデパスコは昔から鉱業で栄えていた
セロデパスコの巨大な穴では今もなお採掘が行なわれており、その大きさはどこまで大きくなるのかわかっていません。
そもそもセロデパスコという町は昔から鉱山として栄えていました。400年ほど前に銀が採掘され、その銀をスペインに大量に輸出したことで町が栄え、ペルー国内の都市で一番初めにスペインから独立することが出来たのです。
ペルーの巨大な穴はナゼ開いた?
前述のように鉱業の町として栄えたセロデパスコでは、昔から採掘作業は行なわれてきました。以前はトンネルを掘ってトンネルの中で採掘をしていたようなのですが、地下に眠る膨大な量の鉱石を効率よく採掘するにはトンネルを掘っていたのでは割に合いませんでした。
そこではじめられた採掘方法が露天堀りという方法でした。呼んで字のごとく、もう地表から掘って掘って掘りまくるというやり方です。トンネルの作業では落盤などのリスクが高く、安全管理にもお金がかかってしまうため、露天掘りは『掘る側』からするとメリットが大きいのです。
そうして暴利をむさぼるかのごとく堀に掘って出来上がってしまったのが『ペルー・セロデパスコの巨大な穴』なのです。
この巨大な穴のおかげで、セロデパスコの町は大きく姿を変えてしまいます。ペルー第2の都市といわれるセロデパスコの町の中心には外国の領事館や博物館など重要な施設がいくつもあったのですが、それらの全ては採掘穴の拡大のために穴に飲み込まれたかのように姿を消しました。
重要な施設が巨大な穴の性でなくなるということは、一般の住宅などはあたりまえのようになくなっていきます。こうして穴はどんどん拡大して行き、住まいを追われた住民は町の半数にも及んだということです。さらに恐ろしいのは、この巨大な穴は未だに広がっているということです。
このような状況になってもまだ、採掘をやめようとはしない鉱山の管理会社はボルカン鉱山という会社だそうです(実際に作業しているのはその子会社)。
ペルー・セロデパスコの巨大な穴は空気を汚染している
拡大を続ける巨大な穴も危険なのですが、セロデパスコの町を襲う恐怖はそれだけではありません。鉛の採掘によって引き起こされる鉛中毒が深刻な問題となっています。日本でも昔問題となった鉱山の街が抱える「鉱毒問題」です。
採掘場の西側では採掘された鉛のくずが大量に置かれています。その鉛クズの山から小さな粉末状になった鉛の粉末が風にのって待ちに降り注ぎます。この鉛の粉末によってセロデパスコの子供達は鉛中毒に犯されているのです。
ペルー政府が実施したセロデパスコの子供の血中の鉛濃度は危険値のおよそ2倍の数値をたたき出しており、鉱山と子供の健康被害の関係を決定付ける証拠となりました。この結果を受けて政府は鉛クズの山にシートをかけたり、植林したりと手をうちましたが
これほど巨大な穴を開けてしまうほど規模外大きな鉱山ではたいした効果は現れていないそうです。
現地の病院では満足な設備も揃っておらず、簡単な検査をすることくらいしか出来ないそうです。
ペルー・セロデパスコの巨大な穴は水も汚染している
町を飲み込む巨大な穴、鉛によって汚染された空気、これだけでも十分に危険な状態のセロデパスコですが、この巨大な穴(鉱山)はさらに水までも汚染しています。
川を流れる水の色は、まるで本場のカレーのような・・・オレンジと赤が入り混じったような色をしています。これは採掘の際に使われた酸化剤が原因だそうで、当然飲めるようなものではありません。もはや水ではない別のものへと変わっています。
水道が通っていないセロデパスコでは飲料水を手に入れるのも大変です。セロデパスコで売られている水の値段は、他のペルーの町で売られている金額の25倍ほどだそうです。
この責任は誰が取るのか?
このような酷い状況のばあい、採掘している企業を相手取り損害賠償を請求するのが一般的なのですが、セロデパスコの場合は状況が複雑です。
もともとこの鉱山はアメリカのセロデパスコ社が所有していました。その後、ペルーの国営鉱山となり、さらにそのあとペルーの国営企業セントロミン社が所有。しかしセントロミン社の経営はとても健全とは言えず、1999年に現在のボルカン鉱山社が破格の金額で買収をしました。
書いていても、複雑すぎてわけが解らなくなってしまうほど複雑な経緯で、所有者が変わってきたこの鉱山。責任の所在を問うと「鉛クズについては、当然ボルカンのものもあるが、セントロミン社の頃のものもあるし、国営の時のものもある」といった具合に全く解らなくなってしまうのです。
鉛クズだけでなく、問題の根源である「巨大な穴」についても同様のことが言えると思います。
かつてこの町の議員だったグロリア・ラモスさんは、この深刻な状況を脱するには「街ごと移転するしかない」と法案を通したことがあったのですが、その移転費用を誰が払うのか?というところでストップしてしまいました。
当然企業が費用(責任)を持つべきだろうということだったのですが、前述のような複雑な経緯が邪魔をして結局、移転に関しては全く進んでいないそうです。
セロデパスコはチェルノブイリ化してしまう
セロデパスコの今の状態がこのまま続いてしまえば、この街は第二のチェルノブイリになってしまうといわれています。もはや人が住めるような状態ではなくなってしまっているからです。
利益優先の企業体質が生んでしまったペルーの巨大な穴。調べてみるとその内容はとても深刻なものでした。
日本でも過去に、このような公害問題は起きています。そして、多くの問題を解消しながら現在の姿になりました。ペルーのセロデパスコも今は深刻かもしれませんが、きっとこの状況を脱する術はあるはずです。
まずそれには、国と企業と住民が同じ方向を向いて問題に取り組んでいくことが重要になってくると思います。このケースの場合は、とりわけ「企業」の方向性が問題なのだとは思いますが。